【2024最新】児童発達支援・放課後等デイサービスの人員配置基準,設備基準とは?運営のポイントも紹介!

児童発達支援・放課後等デイサービスを運営・開業するにあたり、必ず満たさなくてはいけないのが、人員配置基準、設備基準です。本記事では、これから児童発達支援事業所の開業や運営を考えているという方に向けて、最新の各基準について解説します。

※各規準については、自治体によって独自の条例等の定めがある場合があります。必ず各自治体の規定も確認して下さい。

児童発達支援事業所・放課後等デイサービスとは

児童発達支援事業所は、児童福祉法に基づく施設であり、就学前の6歳未満の障害児(放課後等デイサービスは小学生から高校生(6歳~18歳)までに対して、日常生活にお ける基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練その他 の便宜を提供するサービスです。利用者は、通所受給者証を自治体から交付してもらう必要があります。

開業するには、法人であること、また都道府県(市町村)からの指定を受けることが必要となり、そのためには人員基準や設備基準等を満たしている必要があります。

児童発達支援センターの違い

児童発達支援センターと児童発達支援事業所は混同されることがありますが、両者はことなる施設であり、人員配置基準なども異なっているため、注意しましょう。
児童発達支援センター(福祉型、医療型)
地域の障害児や家族への相談、施設への援助や助言を行う地域の療育支援施設

児童発達支援事業所(重症心身障害児、重症心身障害児以外)

障害児やその家族に対する支援を行う身近な場

児童発達支援事業所・放課後等デイサービスの人員配置基準とは

児童発達支援事業所・放課後等デイサービスでは、管理者、およびサービス管理責任者、児童指導員または保育士といった人員を配置する必要があります。また、重症心身障害以外、もしくは重症心身障害を対象とするのかでも配置基準は変わってきますので、注意しましょう。

第五条 指定児童発達支援の事業を行う者(以下「指定児童発達支援事業者」という。)が当該事業を行う事業所(以下「指定児童発達支援事業所」という。)(児童発達支援センターであるものを除く。以下この条において同じ。)に置くべき従業者及びその員数は、次のとおりとする。
一 児童指導員(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和二十三年厚生省令第六十三号)第二十一条第六項に規定する児童指導員をいう。以下同じ。)又は保育士(国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号。以下「特区法」という。)第十二条の五第五項に規定する事業実施区域内にある指定児童発達支援事業所にあっては、保育士又は当該事業実施区域に係る国家戦略特別区域限定保育士。以下この条において同じ。) 指定児童発達支援の単位ごとにその提供を行う時間帯を通じて専ら当該指定児童発達支援の提供に当たる児童指導員又は保育士の合計数が、イ又はロに掲げる障害児の数の区分に応じ、それぞれイ又はロに定める数以上
イ 障害児の数が十までのもの 二以上
ロ 障害児の数が十を超えるもの 二に、障害児の数が十を超えて五又はその端数を増すごとに一を加えて得た数以上
二 児童発達支援管理責任者(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第四十九条第一項に規定する児童発達支援管理責任者をいう。以下同じ。) 一以上

児童福祉法第二節 人員に関する基準

人員配置基準(重症心身障害児以外)

まずは重症心身障害児以外の場合の場合の人員配置基準を解説いたします。

管理者一人(兼務可)
児童発達支援管理責任者一人以上(常勤かつ専任、兼務不可)
児童指導員又は保育士二人以上(10人を超える場合、5人ごとに一人増員

管理者

管理者は事業所につき、必ず一人配置する必要があり、事業所全体の管理業務を行います。専任となりますが、管理業務に支障がない場合は、同一事業所の他の業務、同一敷地内の他事業所の職務の兼務が可能となっています。

児童発達支援管理責任者

児童発達支援管理責任者は、所定の実務経験の要件を満たし研修を修了することで取得でき、1人以上は※常勤かつ専任であること必要です。また、他の業務との兼任は出来ないので、注意しましょう。個別支援計画の作成等、支援全般の管理を行います。

※常勤とは・・指定障害児通所支援事業所等における勤務時間が当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数(1週間に勤務すべき時間数が32時間を下回る場合は、32時間を基本とする。)に達していることを示します。

児童指導員又は保育士

事業所には、児童指導員、または保育士を2人以上配置する必要があり、一人以上は常勤である必要があります。また、10人を超える場合には、5人増えるごとに一人※児童指導員又は保育士を配置する必要があります。

※児童指導員とは・・児童福祉施設職員養成学校を卒業したもの、社会福祉士、精神保健福祉士、
小・中・高校の教諭となる資格を有するもの、学校教育法規定の大学または
大学院で社会福祉学・心理学・教育学・社会学のいずれかに関する学部・
研究科・学科・専攻を卒業したもの、2年又は3年以上児童福祉事業に従事した
ものなどを指す。

また、機能訓練担当職員や医療的ケア児に対し医療的ケアを実施する事業所については看護職員(※)を基準人員(児童指導員又は保育士)の合計数に含めることもできます。ただし基準配置人員の半数以上は児童指導員又は保育士である必要があります。
 ※医療的ケア児の利用があるが、医療的ケア区分や医療連携体制加算を算定しない場合に限ります。

10人まで・・・二人
11~15人まで・・三人
16~20人まで・・四人

単位について

また、定員に対する人員配置の基準は単位によって算定されます。同じ時間帯に、2つの単位をそれぞれ利用者10人で利用するという場合は、4人の児童指導員等の配置が必要となります。時間を区切って提供する場合は、2人の職員の配置となります。

児発・放デイ申請マニュアル

人員配置(重症心身障害児)

児童発達支援事業所・放課後等デイサービスについては、通常の事業所の他に、※重症心身障害児の受け入れを行う場合の人員配置基準があります。また、最低の定員数は5名以上となっています。

※重症心身障害児・・重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複している児童

管理者一人(兼務可)
児童発達支援管理責任者一人以上(常勤かつ専任、兼務不可)
児童指導員又は保育士一人以上配置
機能訓練担当職員必要な時間数で配置
看護職員一人以上配置
嘱託医一人以上配置

管理者、児童発達支援管理責任者、児童指導員又は保育士については共通のため、それ以外の人員配置について解説いたします。

4 第一項から前項までの規定にかかわらず、主として重症心身障害児(法第七条第二項に規定する重症心身障害児をいう。以下同じ。)を通わせる指定児童発達支援事業所に置くべき従業者及びその員数は、次のとおりとする。ただし、指定児童発達支援の単位ごとにその提供を行う時間帯のうち日常生活を営むのに必要な機能訓練を行わない時間帯については、第四号の機能訓練担当職員を置かないことができる。
一 嘱託医 一以上
二 看護職員 一以上
三 児童指導員又は保育士 一以上
四 機能訓練担当職員 一以上
五 児童発達支援管理責任者 一以上
 
児童福祉法第二節 人員に関する基準

機能訓練担当職員

機能訓練担当職員は、名前の通り児童の訓練を支援する職員となります。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士及び※心理指導担当職員がこれに該当します。

※① 学校教育法の規定による大学(短期大学を除く)の学部で,心理学を専修する学科若しくはこれに相当する課程を修めて卒業した者(専門職大学の前期課程修了者は含まない)
② 個人及び集団心理療法の技術を有するもの又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者
※臨床心理士(認定資格),公認心理師(国家資格)の資格を有する者を,①及び②を満たす者としている。※単に心理学を専修する学部・学科を卒業した場合(認定心理士)は含まない

看護職員

看護職員は、日常生活および社会生活を営むための医療的ケアを担当します。保健師、助産師、看護師又は准看護師の資格をもっている必要があります。

嘱託医

嘱託医は、医師の資格をもったものとなります。ただし、常駐の必要はなく、依頼を受けた際に、対応できる体制を整えていれば大丈夫です。

児童発達支援・放課後等デイサービスで人員配置を満たすためのポイント3選

児童発達支援でもし人員配置を満たしていない場合、開業の許可がおりなかったり、運営後でも配置を満たしていない場合は、報酬の減額、最悪指定の取り消しを受ける場合があります。そこで、今回は配置を満たすためのポイントを解説します。

兼務を活用する

児童発達支援事業所においては、児童発達支援管理責任者を集めることが最も難しいと思われます。そのため、管理者が資格をもっている場合は兼務するといった形での運営を検討しましょう。

児童発達支援管理責任者は、児童指導員又は保育士の人数にカウントできない

児童発達支援管理責任者は、他の業務を兼務することが出来ますが、直接支援にはいっても、児童指導員、又は保育士の人数にはカウント出来ない点に注意しましょう。

パート職員を活用する

児童指導員又は保育士については、常勤である必要なのは一人だけです。そのため、上手くパートの人を活用することで、人件費を抑えつつ職員を確保しやすくなります。

児童発達支援事業所・放課後等デイサービスの設備基準とは

児童発達支援事業所を開業したいという場合は、建物にについても、必要な面積を確保したり、相談室など、指定の設備基準を満たしている必要があります。ここでは、児童発達支援事業所の設備基準について解説します。

第九条 指定児童発達支援事業所(児童発達支援センターであるものを除く。)は、指導訓練室のほか、指定児童発達支援の提供に必要な設備及び備品等を備えなければならない。
2 前項に規定する指導訓練室は、訓練に必要な機械器具等を備えなければならない。
3 第一項に規定する設備及び備品等は、専ら当該指定児童発達支援の事業の用に供するものでなければならない。ただし、障害児の支援に支障がない場合は、この限りでない。
 
児童福祉法第四節 運営に関する基準
 

指導訓練室

指導訓練室とは、主に指導訓練など、基本的な活動を行う場所を言います。児童一人あたりにつき、2.47㎡以上の面積を用意する必要があります。定員10人の施設であれば、死角のない指導員の目が届く一つの空間で、約25㎡以上の面積を確保し、訓練に必要な機械器具等を備える必要があります。

その他下記のような注意事項があります。

  • 指導訓練室内の蛍光灯は飛散防止措置をとり、コンセントにカバーを付けること。
  • カーテン等を設置する場合、防炎のものにすること。
  • 指導訓練室内にロッカーや棚などを設置する場合は、転倒防止を行うこと

事務室

事務室は、個人情報等を保管したり、事務を行う部屋となります。原則区切られた部屋で用意し、5㎡以上の広さを確保する必要があります。その他、下記のような条件があります。

  • 扉には鍵を付けるなど児童が入らない工夫をすること
  • 個人情報の流出がないよう配慮すること
  • 鍵付き書庫を設置すること

相談室

相談室は、面談や個別の相談に対応する部屋となり、5㎡以上で原則として区切られた部屋を用意する必要があります。

トイレ

定員に応じた個数を用意し、児童の状況に応じて対応可能な設備を用意します。また外部の方と共用ではなく、専用のものを用意する必要があります。

洗面設備

手洗い等をおこなう洗面設備を用意する必要があり、トイレの洗面所とは別に用意する必要があります。

児童発達支援・放課後等デイサービスの設備基準を満たすポイントは?

児童発達支援・放課後等デイサービスは、どんな物件でもいい訳ではなく、しっかりと設置基準を満たす必要があります。ここでは、設備基準を満たして開業するためのポイントをお伝えします。

契約前に自治体に相談する

指定を満たさない物件を借りてしまったら、児童発達支援事業所の認可を受けることは出来ません。必ず物件を契約前に、申請予定の自治体に相談するようにしましょう。

面積を含まない設備がある

指導訓練室や事務所は所定の面積が必要ですが、キッチンや玄関等は面積に含まれません。そのため、部屋自体で所定の面積を確保する必要がある点に注意しましょう。

パーティションを活用する

事務室や相談室の部屋の区切りについては、パーティションでもOKな場合があります。借りたい物件があるけど、区切られてないという場合は、パーティションで代用できないか、自治体の職員に相談してみましょう。

まとめ

今日は児童発達支援事業所の人員配置基準、設備基準について解説しました。人員配置、また設備基準は複雑であり、間違えてしまうと最悪開業出来なかったり、報酬を貰えない可能性があります。制度に自信がない場合は、専門家に相談すると安心ですし、加算を取れたり、豊富な経験を活かして助言を貰うことが出来ます。また、膨大な事務作業にとられる時間を節約でき、支援や経営に集中できます。もし制度に自信がないという場合は、相談も検討してみましょう。

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