第3回「障害児通所支援に関する検討会(オンライン開催)」について
第3回「障害児通所支援に関する検討会(オンライン開催)」について
2022年9月29日に、障害児通所支援に関する検討会が開催されました。
主な議題としては、以下の通りです。
・児童発達支援センターの在り方
・総合支援型と特定プログラム特化型
・インクルージョンの推進(移行支援・併用通園)
・給付決定の検討(障害児への調査指標、相談支援の促進)
・評価方法に関して(自己・保護者・第三者)
2022年8月30日に開催された2回目の検討会については、以下の記事をご覧ください。
放課後等デイサービス・児童発達支援の2024年の報酬改定(法改正)について
児童発達支援センターの在り方
・家族支援
→ 児発や放デイの目的の一つである「家族支援」ですが、
現状、支援センターが無い地域もあることで、早期に療育とその相談に乗れるように
制度を整備して欲しいという意見がありました。
・コンサル機能の強化
→ 支援センターは専門職や保育士を多く配置していますが、
業務量も多く、連携出来ていないという課題が挙がりました。
・福祉医療型の一元化について
→ 現在、児童発達支援センターは、
「福祉型」と「医療型」の2つの分類がありますが、令和6年に1つに統合される予定です。
総合支援型と特定プログラム特化型
・2分することへの懸念
→ 総合支援と特化の2つに分類することは難しいのではないか?という意見が散見されました。
人員基準だけで2つに分けることは、不十分ではないかと疑問を呈する回答も見られました。
・学習塾や習い事も療育として有効なケースもある
→ 学習塾型や習い事型を「療育として効果が限定的である」との意見が行政から出ていますが、
日本自閉症協会から以下のような回答がありました。
自閉症児の成長を長い目で見ると、個人でも年齢でも違うが、劣っているところに着目し引き上げることを優先するより、好きな自分の世界、アートなどを持って自己肯定感を育むほうが、
結果的には二次障害にならず、全般的な成長につながるという経験がある。
民間の塾や習い事を、公費を使って利用することに対する批判もありますが、
発達支援を大きな枠組みで捉えると、アートや音楽に触れる療育も、否定できるものではありません。
・長時間の受け入れニーズ
→ 短時間のサービス提供が主流になっていますが、
保護者の就労を考慮すると、長時間のサービス提供のニーズも高いです。
インクルージョンの推進
・保育所等訪問支援の普及と目的の明確化
→ 保育所等訪問支援の制度はスタートしましたが、
目的や療育方針が、ガイドライン等で明確に示されていないという意見が挙がりました。
給付決定の検討(障害児への調査指標、相談支援の促進)
・調査指標が画一的である
→ 前回と同じく、成人や介護の指標を適用することが、
児童にはなじまないのではないかという意見が挙がりました。
・第三者評価を活用できていない
→ 第三者評価は、費用や時間もかかるため、活用されていないのが現状です。
第三者評価に関してはこちらの記事をご覧ください。
・行動障害、医療的ケアに関するアセスメントが不十分
→ 大きく報道された刑事事件としての虐待などで強度行動障害に対する支援について、
多くの関心が寄せられています。
また、医療的ケアに関しては、医療の知識があまり無い相談支援センターや行政などから、
「支援計画や給付決定に関するガイドラインを作成して欲しい」
という課題が挙がりました。
現状の児発・放デイでも、「医ケア児の受け入れ先が無い」という意見もありました。
「総合支援型」と「専門特化型」に二分されるのでは?と話題に挙がっていますが、
現状、どこまで2024年の報酬改定に関わるかはまだ分かりません。
しかし、行政としては、何らかのテコ入れをしたいという意向も見られます。
以上、第3回「障害児通所支援に関する検討会(オンライン開催)」について解説しました。
お読み頂いてありがとうございました。
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