児童発達支援管理責任者になるには~実務経験や要件、研修について~
児童発達支援管理責任者の実務経験と要件について解説します。
法改正を経て、緩和された要件や研修を解説します。
平成31年度からの新体系の研修です。
そのため、平成31年度以前(2019年3月以前)に研修を受け終えた方は、
こちらの記事の解説では対象外になります。
児童発達支援管理責任者になる流れ
児童発達支援管理責任者になるための要件として、
「5年の実務経験が必要です!」
とよく聞きます。
しかし、実際には、
基礎研修を受ける(※実務経験が必要)
↓
実践研修を受ける(※その後、2年のOJTを受ける)
↓
児発管として勤務可能(配置される)
のが主な流れです。
以下、実務経験と研修の2つに分けて解説します。
実務経験
実務経験については、こちらの記事で解説しています。
福祉事業の直接支援と相談支援について~児発管の実務経験~
経験年数は持っている資格によって変わります。
まずは、自分が3つのうち、どれに該当するかを確認して下さい。
資格なし+8年以上の直接支援業務
児童指導員等ではなく、全くの未経験から児発管になるパターンです。
これは現場ではやや珍しいケースかと思います。
・社会福祉主事任用資格を有するもの
・相談支援の業務に関する基礎的な研修を修了する等により相談支援の業務を行うために必要な知識及び技術を習得したものと認められるもの(訪問介護員 2 級以上に相当する研修を修了したもの)
・保育士
・児童指導員任用資格者
・精神障害者社会復帰施設指導員任用資格者
などの資格を持っていない方で、
・障害福祉事業
・児童福祉事業
・病院
・関連事業
・その他
「8年以上」の直接支援業務を経験することで要件を満たします。
障がい者や子どもを対象とする相談支援業務
しかし、3年以上は、「障がい者や子どもを対象とする相談支援業務」
であることが必要です。
要件を満たす例
・老人デイサービスで4年、障害者支援施設で4年の直接支援業務に従事した
要件を満たさない例
・老人デイサービスで6年、病院で2年の直接支援業務に従事した
5年以上の実務経験
これが一番多いパターンです。
児発や放デイで働く方は、以下の資格をお持ちの方が多いので、
障害福祉や老人福祉サービスなどとの実務経験を足して、
児発管の要件を満たす方が多いです。
・社会福祉主事任用資格を有するもの
・相談支援の業務に関する基礎的な研修を修了する等により相談支援の業務を行うために必要な知識及び技術を習得したものと認められるもの(訪問介護員 2 級以上に相当する研修を修了したもの)
・保育士
・児童指導員任用資格者
・精神障害者社会復帰施設指導員任用資格者
「5年以上」の直接支援業務
障害福祉事業、児童福祉事業、病院等、関連事業、その他
「5年以上」の相談支援業務
相談支援業務、相談支援施設、福祉施設、障害者雇用促進施設、学校等、病院等
障がい者や子どもを対象とする支援業務
しかし、5年のうち3年以上は、「障がい者や子どもを対象とする相談支援業務」
であることが必要です。
そのため、老人福祉施設や病院で5年の実務経験があっても、要件は満たせないので、注意が必要です。
要件を満たす例
・障害者支援施設で3年、放課後等デイサービスで2年の直接支援業務に従事した
要件を満たさない例
・病院で4年、老人福祉施設で1年の相談支援業務に従事した
基本的に、直接支援業務と相談支援業務は、合算可能としている指定権者が多いですが、
管理者業務をしていた場合は、そもそも実務経験に該当しない場合もあります。
必ず指定権者(自治体)に確認しましょう。
国家資格+5年以上の実務経験
国家資格を持っている場合は、
・5年以上の「資格に基づき当該資格に業務に従事した期間」
と
・3年以上の「障がい者や子どもを対象とする支援業務」
が必要です。
PTやOTの資格を持っている方が児発管になるのは、このパターンです。
対象となる国家資格は以下の通りです。
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、管理栄養士、栄養士又は精神保健福祉士
研修とOJTについて(2021年法改正対応版)
基礎研修
以下の2つの研修が基礎研修です。
法制度から、個別支援計画作成などの実務まで幅広く学びます。
コロナ禍でzoomなどオンラインで開催されていますが、遅刻や欠席等があった場合、
その後の研修を受けられなくなるなどの対応があり得ますので、注意しましょう。
相談支援従事者初任者研修…講義部分の一部を受講(11.5h)
サービス管理責任者等基礎研修…研修講義・演習を受講(15 h)
いつから基礎研修を受けられるのか
○基礎研修は実務要件が2年満たない段階から受講可
・相談支援業務 5年→3年
・直接支援業務(有資格) 5年→3年
・直接支援業務(無資格) 8年→6年
・国家資格者による相談・直接支援業務 3年→1年
基礎研修は人気があり、倍率も高くなっています。
申し込みをしても受けられない可能性もあるので、
受けられるのかどうかを確認し、管理者などに受けたい旨を伝えましょう。
(個人では申し込みをすることが出来ないので、
優先して受けさせてもらえるように日頃からアピールしておくのも大事です!)
OJT
基礎研修を受けた後、2年のOJTを経験するのが実践研修を受ける要件です。
OJTでは、
・2人目の児発管として配置可能。
・実践研修を終えるまでは、児発管としての業務に従事出来ない。
実践研修
この実践研修を受けることで、晴れて児発管になることが出来ます。
給与も上がりますが、責任感もある管理職です。
サービス管理責任者等実践研修(14.5 h)
実践研修を受けなくても児発管として従事出来るケース
平成31年4月1日~令和4年3月31日までに基礎研修を終了した者に限り、
実務経験を満たして基礎研修を修了した場合は、
基礎研修修了後3年間は、サービス管理責任者等実践研修修了者としてみなし、従事が可能です。
上の期間に基礎研修を受けていれば、すぐに児発管になることが出来ます。
しかし、実践研修を受けなくてもいいわけではなく、
所定の期間内に受講することが必要なので、これも確認が必要です。
更新研修
こちらの更新研修も新しく始まった制度です。
5年に1度の資格更新のための研修です。
・現在、児発管として勤務している
・過去に2年以上の児発管の経験がある
のいずれかの要件を満たすと、更新研修を受けられます。
こちらも個人での参加は受け付けて貰えません。
また、平成30年度までに研修を終えている方は、
令和5年度までに更新研修を受けなければ、児発管資格が失効します。
転職を考えている方は、早めに受けておいた方が安心です。
よくある質問
サビ管と児発管で研修の違いは何ですか?
サビ管・児発管の研修は、共通の研修とみなされています。
どちらとして配置される場合も、どちらかの研修の修了証書があれば足ります。
(横浜市等、一部自治体では異なりますので、ご注意ください)
※よって、配置に当たって、実務経験を満たすかどうかが、サビ管又は児発管として配置可能か、
という判断材料となります。
例えば、サビ管の実践研修修了証書を持っていて、児発管の実務経験を満たす方は、(修了証書が「サビ管」と書かれていても)児発管として配置されることが可能です。また、サビ管の実践研修を受けていても、実務経験年数の全てが高齢者デイサービス等の経験の場合、児発管として配置出来ません。これは平成30年度以前のサビ管等研修修了証書も同じ扱いです。
「実践研修を受けた」と「配置出来る」の違いは?
「実践研修を受けた」…
基本的には配置出来ますが、
①更新研修を受けていない
②実務経験を満たしているか自治体に確認出来ていない
などの課題が検討出来ます。採用の際などはご注意ください。
「配置出来る」…
自治体に確認を取っていれば、基本的に適正に配置出来ます。
参考
(研修内容や要件は同じなので、東京都以外のものも参考にしています。)
名古屋市発行の、実務経験と要件の表です。見易く作られています。
https://www.kaigo-wel.city.nagoya.jp/view/wel/docs/2018050400020/files/jitsumukeiken_jihatsukan.pdf
群馬県発行の研修の概要です。研修内容やQ&Aが掲載されています。
https://www.pref.gunma.jp/contents/100251799.pdf
報酬改定・加算・開業・資金調達まで、ご相談はこちら
トキタ行政書士事務所では、報酬改定への対応や各種加算、その他児童発達支援、放課後等デイサービス、就労支援等のご相談を承っております。運営についてお困りの方は、お気軽にご相談ください。メールでの相談は無料となっております。