【児童発達支援&放デイ】実地指導対策③~引っかかるケース編~

実地指導の引っかかるケースを解説します。
実地指導対策の記事はこちらです。
チェックリストもあるので、ご活用ください。

【チェックリストあり】児発・放デイの実地指導とは?監査との違い、対策を徹底解説!

近年の児童発達支援・放課後等デイサービスの実地指導において、
引っ掛かりやすいケースとしては、
・加算などの請求関係
・委員会の議事録と共有
が多いです。

特に、加算などの請求関係に関しては、
返金や、最悪の場合監査に移行してしまうケースもありますので、
この記事を参考に、運営体制を見直しましょう。

東京都の集団指導資料をベースに解説します。

個別テーマ①人員配置と勤務体制の確保

<児童発達支援管理責任者>

1)児童発達支援管理責任者が(退職等で)不在になったにもかかわらず、
そのことについて都(指定所管)へ変更届を提出していない。
→児童発達支援管理責任者が不在になった場合、そのことについて変更届を提出する必要がある。なお、児童発達支援管理責任者が不在となる場合、そうなることが分かった時点で直ちに指定所管に相談の上、後任の児童発達支援管理責任者を一刻も早く配置すること。

2)児童発達支援管理責任者欠如減算を算定していない。
→児童発達支援管理責任者が不在となった場合、不在になった翌々月からその不在が解消された月まで、児童発達支援管理責任者欠如減算を算定すること。

3)児童発達支援管理責任者が不在にもかかわらず、新規利用者を受け入
れ、児童発達支援管理責任者が作成した個別支援計画がない状態でサー
ビスを提供している。(個別支援計画未作成減算も算定していない。)
→そもそも、児童発達支援管理責任者が不在の期間に新規利用者を受け入れることは、児童発達支援管理責任者が作成した個別支援計画がない状態でサービスを提供しているため、一般原則に反する不適切な行為。

<児童指導員、保育士又は障害福祉サービス経験者>

1)児童指導員、保育士又は障害福祉サービス経験者を1人しか配置して
いない日がある。
2)児童指導員、保育士又は障害福祉サービス経験者を営業時間を通じて
2人以上配置できていない日がある。
→このようにならないよう、勤務予定を組む段階で「児童指導員、保育士又は障害福祉サービス経験者」が日ごとに営業時間を通じて2人以上配置できているか等、基準を満たしているかを意識すること。
→そもそも、児童指導員や障害福祉サービス経験者だと思っていた従業者が、児童指導員や障害福祉サービス経験者としての要件を満たしていなかったという事例も散見される。
⇒児童指導員、保育士、障害福祉サービス経験者の各要件については、指定前にも指定所管から配布している「児童発達支援事業・放課後等デイサービスの基準等について」等で確認してください。

3)サービス提供職員欠如減算を算定していない。
→上記の事例の期間等によって、「サービス提供職員欠如減算を算定すべきところ算定していない」といった指摘も合わせて受けることになる。

【個別テーマ② 個別支援計画の作成】

1)個別支援計画に児童発達支援管理責任者の氏名が記載されていない。
→個別支援計画の作成は、児童発達支援管理責任者の重要な業務。作成者欄を設け、氏名を記載すること。

2)保護者との面談について、その内容等を記録していない。
3)担当者会議について、そこで出た意見等を記録していない。
→いずれも個別支援計画を作成する上での貴重な情報源であるので、行うだけではなく、要点(日時・内容等)を記録しておくこと。

4)モニタリングの結果を記録していない。
5)モニタリングの内容が不十分である。
→モニタリングとは、個別支援計画の実施状況を把握(継続的なアセスメントを含む)すること。そのため、ただ障害児の現状を記録するだけではなく、個別支援計画に位置づけたこと(目標や支援内容等)を意識したものとなるようにすること。

6)個別支援計画の見直しが1年に1回になっている。
→少なくとも6か月に1回は見直しを行い(見直しの結果も記録しておくこと)、必要に応じて個別支援計画の再作成を行うこと。

【個別テーマ③ 記録】

<サービスの提供の記録>

1)サービスの提供の記録について、保護者から確認を受けていない。
→後日も確認を受けたことが客観的に分かるように、確認したことについて保護者から押印やサインをもらうこと。

2)内容が不十分。
→特に給付費や利用料金に影響するような事項は確実に記載すること。

<事故記録(事故報告書)>

1)都や区市町村への報告対象事故について、報告をしていない。
→事故が発生した際は、その対応や保護者への連絡はもちろんであるが、行政への報告対象事故に該当する場合は、行政への連絡も忘れずに行うこと。どのような事故が報告対象事故かについては、通知「施設・事業所における事故等防止対策の徹底について(通知)」で確認すること。

2)事故対応マニュアル(感染症を含む)を更新していない。
→数年前から見直しを行っていない、事業所の実態に合っていない、最近の情勢を反映していない等、形骸化しているケースが散見されるため、適宜見直しを行うこと。

【個別テーマ④ 重要事項の説明・利用契約等】

<重要事項説明書>

1)運営規程と記載内容が異なる項目がある。(契約書も同様
→運営規程・重要事項説明書・契約書の内容が実態に合っているかを含めて見直すこと。なお、運営規程を変更する場合は、都(指定所管)への変更届も忘れずに。

2)苦情相談窓口の区市町村分について、事業所所在の区市町村分のみを記載し、各通所給付決定保護者へ支給決定を行っている区市町村分を記載していない。
→苦情相談先は、①事業所、②区市町村、③都(東社協)であるが、そのうちの区市町村分は、障害児の状況等も把握している支給決定を行っている区市町村

3)第三者評価の実施状況について、記載していない。
→平成30年度の制度改正で記載が義務付けられた項目のため、抜けている事業所が多い。第三者評価を受審していない場合でも、その旨を記載する必要がある。

4)虐待防止責任者が誰かについて、記載していない。

<契約書>

1)事業所の管理者名で契約を締結している。
→契約は、原則、事業者(法人代表者)と通所給付決定保護者間で行うもの。

【個別テーマ⑤ 秘密保持等】

<従業者に対して(秘密保持の誓約書)>

1)一部の従業者について、誓約させていない。
→特に、管理者や古くから勤務している従業者に誓約させていない事例が多い。

2)退職後についても、情報を漏らさないことについて誓約させていない。
→秘密保持の誓約書や雇用契約書等には、退職後も漏らさないということを明記しておくこと。また、退職後○年間等、期間を区切らないようにすること。

<障害児やその家族に対して(個人情報使用同意書)>

1)個人情報使用同意書について、障害児の情報についてのみを対象としており、障害児の家族の情報を網羅する記載となっていない。
→通常、障害児の情報だけでなく、障害児の家族の情報を提供する場合がほとんど。

2)個人情報使用同意書について、福祉サービスを提供する者等に対しての情報提供について網羅する記載となっていない。
→インターネットや広報誌等への写真掲載等、事前同意を得ておく方が望ましいケースは複数考えられるが、基準上求められているのは、福祉サービスを提供する者等に対しての情報提供についてであるため、少なくともこの点は確実に網羅すること。

【個別テーマ⑥ 利用者負担額等の受領】

<給付費の1割負担額以外で徴収できる費用>

1)重要事項説明書に記載のない費用について、他に事前に書面で保護者に説明し同意を得ていないにもかかわらず、徴収している。
利用料金については、事前に確実に書面で保護者に説明し、同意を得ること。

2)徴収してはいけない費用を徴収している。
→障害児通所給付費に含まれる費用や実費相当額を超える費用は、徴収しないようにすること。(徴収可能な費用かどうか判断に迷う場合、指定所管に問合せし確認すること。)

<領収証の発行>

1)銀行振込により利用料金の支払を受けた場合に、領収証を発行していない。
→銀行が発行する明細票を領収証の代わりとすることはできない。あくまで事業者(所)名で発行すること。

2)領収証(又は請求書)で利用料金の内訳を明らかにしていない。
→利用者負担額の1割負担分とおやつ代等、利用料金の種別が複数あるような場合に、その領収証(又は請求書)で内訳を分かるようにすること。

【個別テーマ⑦ 非常災害対策】

1)定期的に避難訓練等を実施していない。
2)棚・家具の転倒防止策、棚上等に載せている物の落下防止策が不十分。
→地震等の際に危険なものがないか改めて確認をしておくこと。

3)設備が防炎性能を有していない。
→カーテンやじゅうたん等は防炎性能を有したものを備え付けること。
(「防炎ラベル」がついていれば、防炎性能を備えている)

【個別テーマ⑧ 掲示】

1)掲示の内容が不十分。
→抜けがちなのは、「協力医療機関」。重要事項説明書に「協力医療機関」を記載しているのであれば、重要事項説明書を掲示していればよい。

2)保護者が見やすい位置に掲示を行っていない。
→重要事項を掲示する目的は、利用申込者が事業所を選択する上での判断を行う際に参考にするため。玄関等、保護者が見やすい位置に掲示しておくこと。

 

以上、【児童発達支援&放デイ】実地指導対策③~引っかかるケース編~について解説しました。

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