生活介護(障害福祉)加算一覧~2024年(令和6年)報酬改定対応版~

生活介護(障害福祉)加算一覧~2024年(令和6年)報酬改定対応版~における加算とは
生活介護(障害福祉)加算一覧~2024年(令和6年)報酬改定対応版~事業で得られる報酬は、すべてサービス内容の種類によって決められた単位から計算します。例えば基本報酬は、一般的な事業所であれば170単位~667単位となっており、※1単位を10円として国保連に請求することになります。
加算は、基本人員を追加で配置したり、送迎などのサービスを提供することで、基本報酬以外に得られる報酬となります。加算の詳しい要件については、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(厚生労働省)によって決められています。
※単位の金額については自治体(地域単価)によって異なります。
加算の獲得が重要な理由
生活介護事業所は福祉サービスであり、いくらサービスの質を上げたとしても、定員が満員になっていればそれ以上の売り上げは見込めません。
そのため、加算を効率よく獲得し、売り上げをあげていくことが安定的な経営を行うためには重要になってきます。
また、加算については、満たしていれば自動で付与されるものではありません。加算に関わる支援については会議録や、支援内容等の記録を必ずつけ、申請を忘れずに行いましょう。
2024年度報酬改定におけるポイント
生活介護(障害福祉)加算一覧~2024年(令和6年)報酬改定対応版~の報酬改定について、新設された加算についてなどポイントを解説します。2024年度の報酬改定では、特に基本報酬と支援時間の連動や重度・重複障がい者支援の充実が重視されています。加算については、下記の様な変更がありました。
・サービス提供時間ごとの基本報酬の設定
・延長支援加算の拡充
・ピアサポート実施加算、退居後ピアサポート実施加算が新設された
・食事提供加算の見直し
・医療的ケア児の成人期への移行にも対応した医療的ケアの体制の充実
基本報酬と支援時間の連動は大きな変更でしたが、それ以外にも重度重複障がい者への支援が重要視された点や、なくなると言われていた食事提供体制加算が存続したことも抑えておきたいポイントです。
参考:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」
生活介護(障害福祉)の加算一覧
生活介護(障害福祉)の加算一覧、取得のための条件、単位数をご紹介します。2024年報酬改定に対応していますが、必ず所属自治体の要件も確認されることをお勧めします。
(変更)人員配置体制加算
- 単位数は職員と利用者様の比率で変わります。
- 多くの事業所で算定されている加算です。
- 計算シートなどを用いて、毎月計算しておくことを推奨しています。
人員配置体制加算は、手厚い人員配置体制を整備している生活介護事業所に対して、報酬に上乗せされる加算です。
加算種別 | 配置員数 | 単位数 |
---|---|---|
人員配置体制加算(Ⅰ) | 1.5:1 | (一)定員20人以下 (1日につき321単位を加算) (二)定員21人~60人 (1日につき263単位を加算) (三)定員61人以上 (1日につき245単位を加算) |
人員配置体制加算(Ⅱ) | 1.7:1 | (一)定員20人以下 (1日につき265単位を加算) (二)定員21人~60人 (1日につき212単位を加算) (三)定員61人以上 (1日につき197単位を加算) |
人員配置体制加算(Ⅲ) | 2:1 | (一)定員20人以下 (1日につき181単位を加算) (二)定員21人~60人 (1日につき136単位を加算) (三)定員61人以上 (1日につき125単位を加算) |
人員配置体制加算(Ⅳ) | 2.5:1 | (一)定員20人以下 (1日につき51単位を加算) (二)定員21人~60人 (1日につき38単位を加算) (三)定員61人以上 (1日につき33単位を加算) |
人員配置体制加算で得られる単位数
33単位~321単位
福祉専門職員配置等加算
- 算定には、常勤職員かつ有資格者などの要件が必要です。
- 特に退職時には注意が必要です。
福祉専門職員配置等加算は、生活介護事業において、福祉専門職員や常勤職員等を配置することにより、質の高いサービス提供を推進するために算定される加算です。
有資格者…社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士又は公認心理師
Ⅰ:生活支援員等として配置されている直接処遇職員の割合が35%以上であること。
→1日につき15単位を加算
Ⅱ:生活支援員等として配置されている直接処遇職員の割合が25%以上であること。
→1日につき10単位を加算
Ⅲ:直接処遇職員のうち、常勤で配置されている従業者の割合が75%以上であり、かつ3年以上従事している従業者の割合が30%以上であること。
→1日につき6単位を加算
人員配置体制加算で得られる単位数
6単位~15単位
(新)常勤看護職員等配置加算
- 看護職員が1以上配置されていることが要件です。
- 医療的ケアが必要な利用者様が多く、看護職員の配置を検討している場合は是非算定したい加算です。
(一)定員5人以下(1日につき32単位を加算 )
(二)定員6人以上10人以下(1日につき30単位を加算 )
(三)定員11人以上20人以下(1日につき28単位を加算 )
(四)定員21人以上30人以下(1日につき24単位を加算 )
(五)定員31人以上40人以下(1日につき19単位を加算 )
(六)定員41人以上50人以下(1日につき15単位を加算 )
(七)定員51人以上60人以下(1日につき11単位を加算 )
(八)定員61人以上70人以下(1日につき10単位を加算 )
(九)定員7人以上80人以下(1日につき8単位を加算 )
(十)定員81人以上(1日につき6単位を加算 )
常勤看護職員等配置加算で得られる単位数
6単位~32単位
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算
・利用者様の障害の種別と程度を届け出る必要があります。
・ポピュラーな加算ではありませんので、自治体とも確認が必要です。
利用者様の割合と専門性を有する職員の配置により、算定出来る加算です。
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算で得られる単位数
(Ⅰ) (1日につき51単位を加算 )
(Ⅱ) (1日につき41単位を加算 )
高次脳機能障害者支援体制加算
-
- 高次脳機能障害支援者養成研修は、国立障がい者リハビリテーションセンターをはじめ、各都道府県で開催されています。
-
- 近年ではオンライン開催も増えているため、以前よりも受講のハードルは低くなっています。
-
- 研修修了後、3年以内に実務経験を積む必要があります。
令和6年度報酬改定により、創設されました。
一定数以上の高次脳機能障害を有する利用者いる場合、専門職員を配置することで算定出来る加算です。
①高次脳機能障害支援者養成研修を修了した職員をしていること
②利用者全体の30%以上が高次脳機能障害者であること
③上記2つの情報を公表していること
高次脳機能障害者支援体制加算得られる単位数
41単位/月
初期加算
- アセスメントの記録が無い場合などは算定出来ません。
- 体験利用ではないので注意が必要です。
利用者が生活介護を利用開始した最初の30日間に、事業所が利用者への支援計画作成や環境への適応支援等を行うために算定できる加算です。
体験利用では報酬が算定出来ない代わりに、この初期加算が算定出来ます。
初期加算で得られる単位数
30単位/月
訪問支援特別加算 (月2回を限度)
-
- 個別支援計画に記載が必要な加算です。
- 5日以上の欠席は、開所日が基準となります。
3ヶ月以上利用していた利用者様が、5日以上欠席した場合、居宅訪問をすることで算定出来る加算です。
訪問支援特別加算で得られる単位数
(1)1時間未満 (1回につき187単位を加算 )
(2)1時間以上 (1回につき280単位を加算 )
欠席時対応加算(月4回を限度)
-
- 利用者様が2営業日以上前に欠席の連絡をした場合に算定出来る加算です。
- 連絡内容や連絡のタイミングに注意が必要です。
利用者が急病等により利用を予定していた日の前々日、前日、当日にキャンセルした場合に、事業所が利用者やその家族等との連絡調整やその他の相談援助を行い、内容を記録した場合に算定できる加算です。
欠席時対応加算で得られる単位数
1回につき94単位を加算
(変更)重度障害者支援加算
-
- 研修修了した生活支援員を配置する
-
- 支援計画シートを作成する
-
- 研修受講は必須です
強度行動障害や重症心身障害を有する重度障害者に対して、手厚い支援体制を整備している生活介護事業所に対して算定できる加算です。
算定要件は以下の通りです。
①人員配置基準以上の生活支援員を配置すること
②支援計画シートを作成すること
③生活支援員のうち20%以上の研修修了者による支援を行うこと
研修は以下の4種です。
・重度訪問介護従業者養成研修行動障害支援過程
・喀痰吸引等研修(第一号)(第二号)(第三号)
・強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)
・行動援護従業者養成研修
注1 加算の算定を開始した日から起算して180日以内 +400~500単位(中核的人材を配置し行動関連項目18点以上の者の場合 +200単位)
注2 中核的人材を配置し行動関連項目18点以上の者を支援した場合 +150単位
重度障害者支援加算で得られる単位数
(Ⅰ)(1日につき50単位を加算)
(Ⅱ)(1日につき360単位を加算)
(Ⅲ)(1日につき180単位を加算)
リハビリテーション加算
-
- 医師など多職種協働でケアを行う必要があります。
- 記録や情報提供を行うため、加算の運用が難しい加算の一つです。
リハビリテーション職を配置し、リハビリテーション実施計画を作成した上でリハビリを実施した場合に算定出来る加算です。
リハビリテーション加算で得られる単位数
イ (Ⅰ) (1日につき48単位を加算 )
ロ (Ⅱ) (1日につき20単位を加算 )
利用者負担上限額管理加算(月1回を限度)
-
- 利用者負担額の上限額管理を行った場合に算定出来る加算です。
利用者負担額の上限額管理を行った場合に算定出来る加算です。
利用者負担上限額管理加算で得られる単位数
1回につき150単位を加算
食事提供体制加算
集中的支援加算は、共同生活援助事業において、強度行動障害等を有する利用者に対して、短期間に集中的な支援を行う場合に算定される加算です。利用者の状態の安定化や社会復帰を促進することを目的としています。
- 栄養管理が必要な加算へ変更されました。
- 出前や弁当を提供するだけでは算定出来ません。
- 栄養スクリーニング加算も併せて算定し易い加算です。
条件を満たす利用者様に対し、調理・食事提供した場合に算定出来ます。
利用者負担上限額管理加算で得られる単位数
1日につき30単位を加算
(新)緊急時受入加算
- 夜間に支援を行うことを前提に、延長支援によって算定出来ます
- 市町村への届出等も必要です。
家族の緊急事態などに対応した場合に算定出来る加算です。
緊急時のため、書類や記録を残せるようにある程度の余裕を持った対応が必要です。
利用者負担上限額管理加算で得られる単位数
1日につき100単位を加算
(新)延長支援加算
- 送迎時間は延長支援に含まれません。
- 人員配置が必要です。
営業時間の前後に支援を行った場合に算定出来る加算です。
令和6年の報酬改定で見直し・拡充されました。
延長支援加算で得られる単位数
(1)9時間以上~10時間未満 (1日につき100単位を加算 )
(2)10時間以上~11時間未満 (1日につき200単位を加算 )
(3)11時間以上~12時間未満 (1日につき300単位を加算 )
(4)12時間以上 (1日につき400単位を加算 )
送迎加算
- サービス種別によって単位数が変わります
- 連絡があった日や開所日など日数の数え方に注意が必要です
利用者自宅と事業所間の送迎を行った場合に算定出来る加算です。
送迎加算で得られる単位数
イ (Ⅰ) (片道につき21単位を加算)
ロ (Ⅱ) (片道につき10単位を加算)
障害福祉サービスの体験利用支援加算
- 体験を受け入れた事業所が算定出来る加算ではありません。
- 就労系サービスの事業所は算定出来ません。
利用者を、他事業所やサービスへ送り出した場合に算定できる加算です。
障害福祉サービスの体験利用支援加算で得られる単位数
イ (Ⅰ) (1日につき500単位を加算 )
ロ (Ⅱ) (1日につき250単位を加算 )
就労移行支援体制加算
- 生活介護で算定されることはかなり稀な加算です。
- 就労継続支援A型への移行は要件を満たしません。
(1)定員20人以下 (1日につき42単位を加算 )
(2)定員21人以上30人以下 (1日につき20単位を加算 )
(3)定員31人以上40人以下 (1日につき18単位を加算 )
(4)定員41人以上50人以下 (1日につき14単位を加算 )
(5)定員51人以上60人以下 (1日につき10単位を加算 )
(6)定員61人以上70人以下 (1日につき8単位を加算 )
(7)定員71人以上80人以下 (1日につき7単位を加算 )
(8)定員81人以上 (1日につき6単位を加算 )
(新)入浴支援加算
- 令和6年度に新設された加算です。
入浴支援を提供した場合に算定出来る加算です。
入浴支援加算で得られる単位数
1日につき80単位を加算
(新)喀痰吸引等実施加算
- 令和6年度に新設された加算です。
喀痰吸引を行った場合に算定出来る加算です。
喀痰吸引等実施加算で得られる単位数
1日につき30単位
(新)栄養スクリーニング加算
- 令和6年度に新設された加算です。
利用者の栄養状態を確認し、相談支援専門員へ情報提供する加算です。
栄養スクリーニング加算で得られる単位数
6月に1回を限度として、5単位を加算
(新)栄養改善加算
-
- 令和6年度に新設された加算です。
低栄養や過栄養状態にある、あるいはそのおそれがある利用者に対して、状態改善に向けた栄養管理を行う
栄養改善加算で得られる単位数
月2回を限度として、200単位を加算
(新)集中的支援加算(月4回を限度)
-
- 令和6年度に新設された加算です。
1回につき1,000単位を加算
共同生活援助加算一覧表
加算名 | 単位 |
---|---|
人員配置体制加算 | イ 人員配置体制加算(Ⅰ)(1.5:1) (一)定員20人以下 (1日につき321単位を加算) ロ 人員配置体制加算(Ⅱ)(1.7:1) (一)定員20人以下 (1日につき265単位を加算) ハ 人員配置体制加算(Ⅲ)(2:1) (一)定員20人以下 (1日につき181単位を加算) 二 人員配置体制加算(Ⅳ)(2.5:1) (一)定員20人以下 (1日につき51単位を加算) |
福祉専門職員配置等加算 | (Ⅰ) ( 1日につき15単位を加算 ) (Ⅱ) ( 1日につき10単位を加算 ) (Ⅲ) ( 1日につき6単位を加算 ) |
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算 | (Ⅰ) (1日につき51単位を加算 ) (Ⅱ) (1日につき41単位を加算 ) |
常勤看護職員等配置加算 | (一)定員5人以下(1日につき32単位を加算 ) (二)定員6人以上10人以下(1日につき30単位を加算 ) (三)定員11人以上20人以下(1日につき28単位を加算 ) (四)定員21人以上30人以下(1日につき24単位を加算 ) (五)定員31人以上40人以下(1日につき19単位を加算 ) (六)定員41人以上50人以下(1日につき15単位を加算 ) (七)定員51人以上60人以下(1日につき11単位を加算 ) (八)定員61人以上70人以下(1日につき10単位を加算 ) (九)定員7人以上80人以下(1日につき8単位を加算 ) (十)定員81人以上(1日につき6単位を加算 ) |
高次脳機能障害者支援体制加算 | 41単位 |
初期加算 | 100単位/月 |
訪問支援特別加算 (月2回を限度) |
(1)1時間未満 (1回につき187単位を加算 ) (2)1時間以上 (1回につき280単位を加算 ) |
欠席時対応加算(月4回を限度) | 1回につき94単位を加算 |
重度障害者支援加算 | (Ⅰ)(1日につき50単位を加算) (Ⅱ)(1日につき360単位を加算) (Ⅲ)(1日につき180単位を加算) |
リハビリテーション加算 | (Ⅰ) (1日につき48単位を加算 ) (Ⅱ) (1日につき20単位を加算 ) |
利用者負担上限額管理加算(月1回を限度) | 1回につき150単位を加算 |
食事提供体制加算 | 1日につき30単位を加算 |
緊急時受入加算 | 1日につき100単位を加算 |
延長支援加算 | (1)9時間以上~10時間 (1日につき100単位を加算 ) (2)10時間以上~11時間 (1日につき200単位を加算 ) (3)11時間以上~12時間 (1日につき300単位を加算 ) (4)12時間以上 (1日につき400単位を加算 ) |
送迎加算 | (Ⅰ) (片道につき21単位を加算) (Ⅱ) (片道につき10単位を加算) |
障害福祉サービスの体験利用支援加算 | (Ⅰ) (1日につき500単位を加算 ) (Ⅱ) (1日につき250単位を加算 ) |
就労移行支援体制加算 | (1)定員20人以下 (1日につき42単位を加算 ) (2)定員21人以上30人(1日に20単位を加算 ) (3)定員31人以上40人 (1日に18単位を加算 (4)定員41人以上50人 (1日に14単位を加算 ) (5)定員51人以上60人 (1日に10単位を加算 ) (6)定員61人以上70人 (1日に8単位を加算 ) (7)定員71人以上80人 (1日に7単位を加算 ) (8)定員81人以上 (1日に6単位を加算 ) |
入浴支援加算 | (1日につき80単位を加算 ) |
喀痰吸引等実施加算 | 1日につき30単位を加算 |
栄養スクリーニング加算 | 6月に1回を限度として5単位を加算 |
栄養改善加算 | 月2回を限度として、200単位を加算 |
集中的支援加算(月4回を限度) | 1回につき1,000単位を加算 |
福祉・介護職員等処遇改善加算 |
まとめ
本日は生活介護で算定できる加算を最新の2024年度の報酬改定にあわせて解説しました。加算は安定した経営のために必要不可欠ですが、法改定も早く、制度もかなり複雑です。
経営しながら加算を効率よく取得することはなかなか難しいかもしれません。
加算をとって売り上げをあげていきたいけどそこまで手が回らないという方は、ぜひご相談ください。現場経験のある行政書士だからこそできる最適な加算算定をお助けいたします。
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